習近平氏が10年ぶり国賓訪米――「戦略的安定」の言葉と、未使用の関税カード

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中国の習近平国家主席は2026年9月23日、3日間の国賓訪問のため米メリーランド州のアンドルーズ統合基地に到着した。トランプ大統領は自ら空港で出迎え、479人の軍関係者による歓迎式典と航空機の編隊飛行を用意する異例の厚遇で迎えた。首脳会談はホワイトハウスで24日に行われ、同日夜には米テック企業トップらも出席する国賓晩餐会が開かれる。習氏は25日に国立公文書館を訪れた後、帰国する。

習氏の国賓訪米は2015年以来で、トランプ氏の政権復帰後、両首脳の対面会談は2025年10月の釜山、2026年5月の北京に続き、11カ月で3回目になる。

会談の前に固められたもの

今回の会談は、事前の閣僚協議で主要な枠組みがある程度固められたうえで開かれる。9月20日にはニューヨークで中国の何立峰副首相とベッセント財務長官、グリア通商代表が会談し、AIに関する対話の枠組みを設けることで合意した。ベッセント氏はまた、11月に期限を迎える予定だった米中の貿易休戦を2カ月延長することで両国が合意したと明らかにしている。ロイター通信は、今回の会談は外交的な象徴性が大きい一方、訪問の規模に見合うほどの大きな進展は少ない可能性があると伝えた。

主な議題は貿易、レアアース、AI、台湾、イランとされる。習氏は到着時の書面談話で、米中はライバルではなくパートナーであるべきだと述べ、新時代の正しい付き合い方を見いだせるとの自信を示した。トランプ氏はイラン問題も議題になり得ると述べる一方、超知能を巡る競争では米国が大きくリードしていると強調している。

言葉を巡る攻防の背景

米外交問題評議会(CFR)の分析は、この会談で注目すべき点として「言葉」を挙げている。トランプ氏は4カ月前、習氏が掲げる「建設的な戦略的安定の関係」という表現に同意したが、その意味はなお不明確だという。米国は歴史的に、中国が好む外交用語を受け入れることに慎重だった。その用語を中国側の定義ごと追認したと受け取られることや、関係の条件を北京が決めているという印象を与えることを避けるためである。

2013年、習氏はオバマ大統領との会談で「新型大国関係」を提唱したが、米政府はその後この表現の使用を控えるようになった。中国が首脳間の合意文言にこだわるのは、それが台湾問題などで米国の行動を縛る根拠として後に引用されるからであり、今回の会談でも共同発表の文言が実質的な成果の一部となる。

会談の外にある関税カード

この会談の直前、トランプ氏は9月18日に対ロシア制裁法に署名し、ロシア産エネルギーの主要な買い手に最大100%の関税を課す権限を得た。中国商務省は「あらゆる必要な措置を取る権利を留保する」と反発しつつ、米国に歩み寄りも求めている。関税権限の起算点は10月18日で、会談から1カ月足らずで到来する。トランプ氏は、発動するかどうかを決めていないこの権限を、会談の場で使わずに手元に残せる立場にある。

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考察・今後の予測

今回の会談で関係が大きく転換する公算は小さく、実質的な成果は事前合意済みのAI対話の開始と、貿易休戦の2027年1月ごろまでの延長の確認が中心になる。焦点は、共同発表に「建設的な戦略的安定」の文言が再び盛り込まれるか、台湾について米側がどこまで従来の表現を維持するかの2点である。今後の日程は、10月18日の対ロ制裁法の関税起算点、11月3日の米中間選挙、11月18〜19日の深圳APEC、12月14〜15日のマイアミG20と、ほぼ1カ月おきに米中の節目が続く。トランプ氏は対中関税を発動せずに保持したまま、この4つの節目を通じてロシア産原油の購入縮小などの譲歩を段階的に引き出す交渉を続けるとみられる。

参考文献・ソースリンク

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