米中首脳会談の2日前に日米会談――「頭越し」を恐れる日本と、取引を急ぐトランプ政権の温度差

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高市早苗首相とトランプ米大統領は2026年9月22日(日本時間23日未明)、国連総会に合わせてニューヨークの国連本部で約30分間会談した。両首脳の正式な会談は、首相がワシントンを訪れた3月以来となる。日本政府の尾崎官房副長官によると、両首脳は中国を巡る経済・安全保障上の課題を話し合い、この問題で緊密に連携することで一致した。英字紙ジャパン・タイムズは、経済安全保障や半導体、AI、重要鉱物での協力が主な議題だったと報じている。

会談の意味を決めているのは、その日程である。中国の習近平国家主席は9月23日から25日まで米国を国賓訪問し、24日にワシントンでトランプ氏と会談する。習氏の国賓訪米は10年以上ぶりで、トランプ氏の政権復帰後、両首脳の対面会談は3回目になる。

日本が会談を急いだ理由

背景にあるのは冷え込んだ日中関係である。高市首相が2025年11月、中国による台湾攻撃は日本の「存立危機事態」になり得ると国会で答弁したことに中国は強く反発し、その後、重要鉱物やレアアース、先端技術を含む軍民両用品の対日輸出を厳しく管理する措置を取った。中国外務省の郭嘉昆報道官は21日、これらの措置は日本の軍備拡張を抑えるために必要だとの立場を改めて示している。中国は精製レアアースの世界シェアの約90%を握っており、日本にとってこの規制は実務上の打撃が大きい。

日本側が懸念しているのは、トランプ氏が11月の中間選挙を前に中国との経済的な成果を優先し、日本の安全保障や経済の利益を交渉材料にしてしまう事態である。韓国紙コリア・タイムズ(AP通信配信)は、会談の時期設定そのものに、日本の利益を犠牲にした譲歩を防ぎたいという東京の意図が表れているという専門家の見方を伝えた。

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三者の見方はどう違うか

日本政府は、国連本部で会談すること自体が同盟の強さを世界に示すと位置づけた。一方、米政府高官は日本を「極めて重要な同盟国」と呼びつつ、会談を「習氏訪米の前に重要なもの」と説明するにとどめている。ルビオ国務長官は以前、日中間の緊張は以前からあるもので、地域で均衡を取るべき力学の一つだと述べ、日本との同盟と中国との協調の両立を図る姿勢を示している。

中国の国営紙環球時報は、同様の日米首脳の電話会談があった2026年1月、日本は日米同盟を中国けん制に引き込もうとしているが、米中の経済関係の安定を優先するトランプ政権がそれに応じる可能性は低いという中国人専門家の見方を伝えていた。

加えて、日米間には摩擦もある。米国による国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長(日本人)への制裁や、日本の財政政策と金利上昇に対する米側の見直し要求を巡って食い違いが生じており、日本政府内には一時、会談を見送る案すらあった。

背景にある「頭越し」の記憶

日本がここまで米中会談の直前にこだわる背景には、1971年のいわゆる「ニクソン・ショック」がある。ニクソン米大統領が中国訪問を発表した際、同盟国の日本には発表直前まで知らされなかった。この経験は、米中が日本の頭越しに接近することへの警戒として、日本の外交当局に長く残っている。トランプ氏自身、2025年10月の釜山での初の米中会談の前に東京を訪れ、2026年5月の北京訪問直後にも高市首相に電話で内容を伝えており、日本はこの「事前・事後の説明」を慣例として固めたい狙いがある。

考察・今後の予測

24日の米中会談で、日本向けの軍民両用品の輸出規制が解除される公算は小さい。中国外務省が21日時点でも規制の正当性を主張しており、米中の議題は対米レアアース供給や関税の「休戦」が中心とみられるためだ。日本が実際に得られるのは、会談後のトランプ氏からの説明と、合意文書に台湾海峡の平和と安定への言及が残るかどうかという2点に限られる。精製レアアースの約90%を中国が握る構図は短期間では変わらないため、日本はODAとは別枠の政府安全保障能力強化支援(OSA)を2026年度に81億円から181億円へ増額したように、同志国との協力で調達先を分散する路線を強める方向に動く。11月18〜19日に中国・深圳で開かれるAPEC首脳会議が、日中首脳が接触できるか否かの次の分岐点になる。

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